| チャールズ・イームズといえば、ミッドセンチュリーを代表するシェルチェアです。シェルチェアは、1948年に近代デザイン製品をコレクションすることで他の美術館との差別化を意欲的にはかっていたMoMA(Museum
of Modern Art)が、その活動の一環として家具非営利団体の共催で行った『ローコスト家具デザインコンペ」に出品した作品の一つでした。
結果、見事に2位となったシェルチェアは、その頃、チャールズ・イームズが取り組んでいた成型合板での大量生産可能な新時代のデザインを実現しようとした本格的な取組みでした。しかし、成型での製作が難しくあきらめずに新素材FRPを使用して見事に製品化されたものです。
ファッション雑誌などでおなじみのFRP生産されたシェルは、型を利用してファイバーグラスウールを何層にも接着して最後に外形を整えて生産した紛れもなく椅子の世界で革新的な大量生産品として世に出されました。
キャッツグレードル、ドゥェルレッグ、エッフェルベースなど多様なデザインの脚の選択とシェル、アームシェル、と2種類のベースとなる座のバリエーションからパッドを取り付けたタイプなど特有の仕組みと展開で現在でもコレクターから強い支持があるのも充分理解できるところです。
シェルのデザインは、現在でもイームズのシェルをお手本に作られた日本のJRや鉄道などでも見られるように大量に生産される為に非常に合理的な形状と座りやすさを兼ねた工夫が満載です。しかし、シェルには、生産効率に優れ壊れにくいという最大の利点が、古くなったときの再生化という現代社会に必要なリサイクル(経済効率)という点から生産が中止となってゆきました。
現代では、ヨーロッパブランド販社が、もっとも経済効率の良いポリプロピレンの製品を生産し、新しい付加価値を加え販売しています。わずか、20秒で1台の座が次々と生産されるプラスチックのシェルは、当時のコンセプトを最も実現できる生産原価の低価格化(イームズの当初の安価で多くの人に使ってもらえる家具を作るということ)であるはずの製品です。
ポリプロピレン・ABS樹脂などのプラスチックは、安価な材料代と 1度、型を作ればFRPと違い非常に大量のパーツを生産できる現代の技術をフルに利用したものです。なんといっても、1948年のローコストデザインコンペに入賞した製品なんですから・・・・・。もちろん、再生可能な特徴を持っています。
これから広がってゆくジェネリックの概念は、私達の製品も選ぶことができたり、自由な創作の豊かさを社会に還元する為の知的財産のあるべき姿です。
|