木製品ツアーNo.1 木製品の加工・仕上げ
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E-comfortのずーっと念願だった、無垢材の木製品の家具生産を開始しました。無垢材の木製椅子は、ステンレスのような金属やメッキ製品と違い、材料が木材という非常に扱いにくい素材である為、生半可な生産技術や材料調達力では、実現が難しいといえる製品分野です。
昨年から準備をして、今年の春からようやく、製品として出荷出来るようになりました。北欧家具の木製ブランド家具の販促が追い風の中、高額なブランド価格ではない、私たちのコンセプトのお求め安い価格でのプロデュースされた製品を楽しんでいただければとてもうれしいです。
主材料は、価格の安いビーチ材(ブナ)から、アメリカンメープル(カエデ)、ホワイトオーク(ナラ)、アメリカンウォールナット(ウォールナット:日本ではくるみ材)を使い、ウレタン塗装での仕上げとウォールナット材は、オイル仕上げの2種類を定番として木のぬくもりと確かな品質、座面には、それぞれ、デンマーク製のペーパーコード、E−COMFORTの選べる3種類の革で座面を仕上げています。
日本で販売されている木製品家具では、価格の安いものは、従来、家具製作に適していなかった材料も使うようになってきています。ゴム、イチョウといった材料です。堅木と言われるナラやカエデ、胡桃などの材料は、価格が高騰してしまっている為に、価格を抑えるためには、そのような材料を使うか、飛騨の家具産地のように本来、従来あまり家具には使用しなかった建築材料としておなじみの杉などに、デザインと技術で付加価値を創出しているものなど家具のものづくりのありようも大きく変わっています。
しかし、高級ブランド価格の設定さえなければ、本来のなじみ親しんだしっかりとした家具材料を使って適正な価格で販売する製品の生産が可能だといった意味でも、世界のマーケットに受け入れられるものだと考えています。
この木製家具の製作開始にともない、今年、E−COMFORTでは、学生の方々を中心としたコンテストを行う予定です。世界に販売できるデザインを募集する為のすべての生産インフラが揃ったことになります。 |
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| E-comfortの木製品で使用する木材は、すべてアメリカからの原材料輸入品を使用しています。その材料に応じて国際標準として流通している材料を厳選しています。 |
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| 適正な含水率(木材の含まれる水分の数値)に、自然乾燥と人工乾燥を組み合わせて保たれた木材を木取り(必要な材料のサイズに荒取り)をして、部材ごとに切り分けていきます。部材によっては、写真のように高価な価格設定のな原因となる一枚の木材から1本の部品をとることをせずに集製材を作ってそこから部材取りをしていきます。 |
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上の写真は、「コッピングマシン」といいます。部材の彫刻機のことで、モデルとなる部材を金属で一度製作し、その形をガイドにして一度に同じ形(この機械では4本まで)製作できます。1本1本、手作業で製作したのでは、正確性とコストに跳ね返ってくる為に、はるか50年以上に前に考案された機械です。この機械がない場合のメーカーでは、なるべく直線に近いデザインでの制作方法に特化した製品のみ作られていきます。デザインを自由にするための機械設備は、その需要がなければ導入は難しく、木製椅子などに特化した工場でも持っているところは、そう多くありません。治具(型の原型)は、堅い材料の木製で行う場合と大量に生産できる見込みが立つ場合には、金属で製作します。
下の写真は、アーム部分や背板を局面加工する縦軸の加工機です。最近では、多軸のNCルータにより、どんな形でも一度に何本も加工できるものもありますが、なんと言っても木工の基本ともいえる機械です。これさえあれば、どんなアールの局面でも写真のように治具を作ることによって、対応できます。木工の世界では、この治具を製作できることも1人前の要素として重要で、図面をみることができて、製作できることが必要です。最近では、NCルータ(コンピュータ制御の加工機械)に数値を打ち込むだけで必要なカーブが得られるようになっていますのでこの部分でも図面を読み込み正確に数値を反映させる技術が必要となります。 |
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| 部材は、無駄のないように帯鋸で必要な形に切り取られ、綺麗なRを持たせる際には、冶具を使い加工します。必要に応じて、接合する際には、無垢材を使用した木製品加工でなじみ深い、フィンガージョイントを使用し、その部分にかかる加重により刃物を使い分け適正な加工を施しています。 |
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木製椅子の一番大切な加工が、接合部の加工です。箱物(タンスやキャビネットなど90度で加工できる製品と違い、3方向すべてに角度がついてるデザインも珍しくありません。その際には、差し込まれる穴部分にも角度が必要な場合も多く、最も注意して行わなければならない工程です。
上の 写真の背の材料が組み込まれる穴は、3方向に角度が付いていますので、セッティングに充分な時間をかけ、なんどもためし彫りをして確認しています。
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脚部の貫と座面のフレームが差し込まれるほぞ穴(接合部の強度を保つ接合加工方法の呼び名)にです。写真のように1本につき、90度方向に何個もの数種類の穴があけられています。1回1回機械をセッティングして、穴あけ作業を繰り返し行います。
その際に、注意するのは、写真のように木目の綺麗ではない面を内側に向けるように加工しています。木材のすべての材料は、1本1本違う木目で、材料として木取る段階までは、どのような目が出てくるのか判断が難しいといわれています。その中で使用する材料の等級により、もちろん悪い部分の分量も変わってくるのですが、私たちの製品もブランド品とは違い、すべてそのような部材を捨てるのではなく、使える範囲で、加工の際に配慮を加えて、コストパフォーマンスの高い製品の完成をめざしています。 |
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| 3方向に角度をつける肘の部材は、水平・直角な面がある段階で、接合部分を加工します。後から、丸みや傾斜の加工をして最後は、手作業で仕上げます。 |
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| 肘掛など丸い部材も、現在の設備に合わせて曲げ木(まっすぐな棒材を薫醸処理により木を型に入れて曲げる加工=経済効率性+強度が保たれる)処理をするのではなく、フィンガージョイント(継ぎ加工にて強度を高める工法)で3本の部材をつないで加工されています。 |
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| 堅木の材料として日本でもなじみ深い、メープル材(アメリカンメープル)の綺麗な木目です。メープルは、ナラやタモなどと違い、導管が小さく家具の材料として清潔で穏やかな表情をもち、材料としても強度が高く、高級家具材料として椅子にも好まれて使われています。 |
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| ほぞ加工の差し込む部分のディテールです。穴にボンドを入れて、くみ上げます。入れる部材の表面形状に沿って角度をつけたり、丸く球面加工を施して、接着面積を取れるようにしています。継ぎ手の処理と加工形状の選択は、日本の有名メーカーや世界で通常行われているものとで同じ技術で木工製作に必須と言える大切なポイントの一つです。 |
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| 無垢材で作られる木製椅子の魅力は、金属では決して表現できないその木材、本来の持つ表情にあります。デザイナー一人一人のノウハウにより木材とデザインの美しい組み合わせが成功している椅子には、ロングライフで楽しめる飽きの来ない魅力が確かに存在します。 |
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| 無垢材の木製椅子のデザインには、100%オリジナルと呼べる要素は、非常に少なく、過去の椅子のデザインの歴史から、引用、影響を受け、アイデアを加え、ゆっくりと進化してきたように思います。金属の素材が、カンチレバー構造を実現したような変革や成型合板がそれまでより更にデザインが自由になり大量生産が行われるようになった事とは違うレイヤで、これからも、無垢材の木材の特性・構造・デザインの3つの要素が組み合わせられながら、少しづつ、若干の新規性を育んだやさしいデザインが生まれていくことでしょう。 |
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| 最後に肘を乗せて接着固定すれば組み立て完了となります。木製の椅子がこのような手作業と機械での工程との組み合わせで完成するところに愛着を感じる工業製品と言われるところです。 |
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アメリカンウォールナット材での仕上げは、2種類用意しています。メンテナンスが簡単なウレタン塗装、より木材の風合いが感じ取れるオイル仕上げです。ウレタン塗装は、私たちにもなじみ深く、行う一般的な木製品の塗装方法です。もともと木製品は、無塗装で製品化されることはほとんどありません。木が水分を含んだり、乾燥したりすることにより、接合部の破断、目切れがおこり、塗装無しでは、長く使うことができ無い為に行われているものです。
オイル仕上げは、英国アンティーク家具などでおなじみの木材本来の質感を持たせる為の仕上げ方法で、上の写真のように仕上げオイルを塗っていきます。ウレタンのように乾いても堅い塗膜で覆わない為、傷や設置場所のコンディションにより影響を受けやすい欠点はありますが、基本的に何度でも塗りなおし、塗り重ねができますので、傷がつけば、補修をしてオイルを塗ることで補修できますし、傷をそのままに、何年も使うことで生活になじんでいきます。 |
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| オイルペイントでの仕上げ写真、ご家庭でビーズワックス(蜜蝋ワックス)で仕上げてより、しっとりとした仕上がりにすることができます。 |
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艶のある方が、ウレタン仕上げ、艶が少ないものは、オイル仕上げです。お好みとお手入れの具合で選んでいただけます。
昨今は、日本で販売されている木製椅子にもオイル仕上げで最初から販売するものも多くなってきました。高級家具のように慈しんで使えるという上質なイメージがあります。英国アンティークなどでは、何十年、100年以上たった木材ですので、そんなに木が動くことはないのですが、特に日本では、四季のある国として、木製品にとってはあまりいい環境ではありません。冬は乾燥した環境で木材は、縮みます。夏場は湿気を含み、木が膨張します。これにより、日本の家具産業では、木製品のクレームはあとを絶たないと言われていました。
一概には言うことはできませんが、ウレタン塗装、UV塗装などは、生きている材料と言われる木材をコーティングして呼吸をとめてしまうことで、木材の収縮したりすることを防いでいます。オイル仕上げは、半分呼吸ができるようにコーティング度を弱めた仕上げですので、風合いが増すことでいずれにしても、木材本来の収縮はおこってきます。それも理解していただく必要は、あります。
昔は、町では、椅子の職人さん、村では、大工さんが、道具・家具の修理をしてくれて町の修理・メンテナンスといったインフラが存在していましたましたし、そんなクレームは、木なんだから当たり前として認知してきましたが、いつの間にかその知識は、家具販売の現場からは消えていったように思います。
・・・しなければならない事が多すぎる厄介なものを多くの方は、望みませんし、しなければならないという前提では、メンテナンスも楽しくはありません。本来の文化、材料の特性を楽しむという原点に返って、生活の中にお掃除、ワックスで磨く事やオイルの塗りなおし、なども庭掃除・自転車のメンテナンスと同じように取り入れていくことは、決してそんなに難しいことではありませんね。どちらにしても、「選べる」ということが、私たちの生活をより豊かにしていくのではないでしょうか。 |
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| 熟練した職人さんが、最後に再度検品作業を行います。各パートで不具合がでたら、元に戻してやり直します。基本は、各メーカーの職人さん達のマインドです。中国も日本も世界中どこでも、普通に製品をきちっと行うメーカーの製品は、同じ事を行っていますし、すべて人間が行う作業の成果です。特に木製品は、納めた後も気候やお部屋の使用環境により、不具合がでることも珍しくありません。その際には、日本の輸入元としての製品ケアを行うことでサポートいたしますので安心してお求め下さい。 |
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